業界の「成長神話」が崩壊した理由は、長期不況だけではありません。出生率の低下による少子化と、寿命の伸びによる高齢化は、主に20歳代から40歳代前半を主要な顧客層とする消費者金融業界にとって死活問題です。業界大手関係者が面白い分析をしてくれました。「1世帯あたりの子供の数が少なくて、親が健在だとすると、不況の現在でも我が子にかかる経済的負担はそれほどのダメージがない。そうすると、子供は自立せずにいつまでも家庭にいて定職に就かず、フリーターのような生活を続ける。消費者金融は、勤務先があって定期的な収入を得ている人に貸すのが商売だから、こうした若者にはなかなか貸しにくい。それに適度の収入があって、親のスネもかじっているから、借りる機会も少ない。最近は、フリーターでもある程度の勤続年数があれば、融資に応じる貸金業者も増えつつあります。しかし、長い目で見て低年齢層の人口が減少すれば、業界にとっては由々しき問題です。若い世代が利用者の大半なのは、彼らが相対的に低所得であり、「借金」に対する考え方が中高年世代と違ってドライだからです。一方、高齢者のほうが増え続けるということも、業界にとってマイナスです。会社をリタイアした人々の多くが定職についていないのは当然です。彼らに貸し付けるのは、定期的な収入がある人への融資という業界の融資原則に反します。しかし、人口動態はどうすることもできません。やはり事業の多角化を進め、収益機会を自らの手で開拓するしかないのです。
一九六〇年代の終わりから七〇年代初めの西ドイツや日本のように、経済がほぼ完全雇用の状態にあり、経常収支が持続的に黒字の国は、次のような問題に直面した。すなわちこれらの国では、経常収支の持続的な黒字の拡大のために、それをそのまま放置しておくとマルクや円はドルに対して切り上がることになる。これを防止するため両国の中央銀行はドル買い・マルク売りやドル買い・円売りを実施したのである。そのため両国とも貨幣供給量が増大した。完全雇用の状態で貨幣供給量の増大が過大になると、インフレが起こる。インフレが起こると、両国の国際競争力は低下するので、経常収支の黒字は縮小していく。しかしこの過程で両国は長い間インフレを甘受しなければならない。このようなインフレを調整インフレと呼ぶが、調整インフレを避けて物価と雇用の安定という国内均衡を達成するとともに、経常収支の黒字を縮小させるためには、マルクと円のドルに対する価値を切り上げる必要がある。このようにして一九六〇年代の終わりから七〇年代の初めにかけて、固定為替レートを維持することの矛盾が大きく露呈し始めたのである。
抵当権というのは、主に銀行業務では不動産担保の提供を受けたときの担保権です。質権のところでも説明しましたが、抵当権を設定してあっても、債務者は今まで通り引き続いてその不動産を使用することができます。たとえば、不動産担保として提供された土地が会社の所在地である場合、質権のように銀行に預けてしまったら引き続き営業が出来なくなってしまいます。そうすれば当然、貸出金も返済できなくなるわけですから、会社所在地の不動産に質権を設定するわけにいかないわけです。不動産担保として銀行に提供しながら、その不勁産は引き続き使用することができる。それが抵当権です。仮に債務者が債務不履行になった場合、提供された担保不動産の処分により債権者は優先的に債務の弁済を受けることができます。ところで、抵当権も質権も、当事者の合意によって成立する担保権という意味では同一の種類と考えられます。質権の場合は、担保の目的物を債権者に渡す必要があるのに対し、抵当権の場合はそのまま使えるという点が、2つの担保権では異なるところです。